牛糞堆肥到来
生まれ育った農場で主にヤギの放牧をしているジニーに、トラック一杯分の堆肥を譲ってくれるようお願いしたのだが、弟さんの野菜畑で使用されてしまい、残っていないとのことだった。もともと、牧草地に落ちたまま放置しているヤギの糞が多く、山積みにして堆肥化しているものは少ないらしい。
そこで、トラックを持っていない私の代わりに、私の家の近くの酪農家のところから、牛糞堆肥を運んでくれた。
うちでは家畜は飼っていないが、森の中で暮らしているので、堆肥にできる材料としては、メープルの落ち葉が大量にあるし、雑草やガーデンプラントからもたくさんの材料が発生する。いずれは、暮らしている森の生態系の中で、土づくりも完結させたいと思っている。
そうはいっても、堆肥を作る場所や、直接畑や花壇の中へ、落ち葉などの材料を運んだりするつもりなので、自然放置の土づくりアプローチでもない。うちでは、敷地の大半を占める森は概ね自然放置だ。しかし、もともとあった7か所ほどの森の空き地で食べ物を育てていて、そこでの土づくりには有機物を運び込むアプローチをとる。
これまでは、果樹、宿根草野菜(フキ、ルバーブ、ミョウガ、カマス、ラベージ、ワケギ、チャイブなど)やベリーの栽培が中心だったのだが、今年から、一般的な野菜作りに力を入れるところなので、野菜畑拡張の為の有機物がたくさん必要だ。しかも、やりながら考えているのが実情なので、前もって堆肥作りをしてきていない。
それで、今年は外から堆肥の持ち込みとなった。今後、持ち込みを減らしてゆけるとは思っている。
これまでの枯葉や枯草の利用は、そのまま果樹園や畑・花壇の植物の周囲に敷くシートマルチ方式だったので、積上げて堆肥化するのにどのくらいかかるかよく分かっていない。上の写真で、11月に積み上げたものは、まだあまり堆肥化が進んでいないようだ。ムツコさんに聞くと、彼女の家では、台所からの材料も混ぜて、一年くらいで堆肥化するとのことだ。うちではどうだろうか。
コロナウィルス、スティンギングネトル
コロナウィルスの治療薬についての希望が膨らんできたことは、少なくても北米では、まだ一般的には認知されていないようだ。今の段階では、認知がされていないことは私には良いことに思える。成功が保証されている訳では無いというだけではない。アメリカ大陸で、ソーシャル・ディスタンシングの重要性がもっと隅々まで行きわたった方が良いと思うのだ。今後、治療薬が出来た後も、ワクチンが出来るまでは、行動規制・監視が必要な社会状況が続くと思うのだが、米国ではまだその練習が必要に見える。
日本では、ソーシャル・ディスタンシングの訓練は行き届いているだろうから、治療薬進展のニュースでいくらか楽観的になるのも良いことの様に思う。
レムデシビルの散発的なデータを見ると、重症患者の治療薬への道のりは近いのでは無いかと見える。次段階の、医療従事者の為に予防的な効果も期待できる抗体医薬については、データが見られ始めるのはもう少し先になりそうだ。
上記が成功しても、それらの後になるだろうワクチンが出来るまでは、行動規制社会が続くのかなと想像するが、段階を追って封鎖に近いステップから前へ進むのだろうと思う。
繰り返しになるが、米国では、ワクチンが出来るまで長い道のりになるだろうソーシャル・ディスタンシングの浸透と練習をもうちょっと真剣にやって欲しいと願う。
今は種を買う
妻の職場も昨日から業務休止になり、カナダ西海岸でも子ども達の学校閉鎖が今日アナウンスされ、私も何をやっても今は成果につながらなそうだ。それで妻と話をしたところ、今日は野菜の種を買いに行こうという話になった。
こんな時には野菜の栽培と、ハイキングと、これまであまり時間を取れていない野生動物の観察かな、と私は思ったのだ。妻は、裁縫と、ハイキングをしつつ、私の野菜の栽培も手伝ってくれるつもりのようだ。
うちの野菜の栽培に関する作業が遅れてきていて、もうスイスチャードなど、野菜によっては種蒔きにはちょっと遅めかなというタイミングになってきていることもある。
私たちと同じようなことを考える人が多いのだろうか。農業用品店でも、ナーサリーでも、種や苗を買い求める人がすごくたくさん来ていた。種は、売り切れになっているのも多い様だ。
その他、イチゴの苗と、アーティチョークの苗も購入した。
トマト、キュウリ、ナス、カボチャ、ズッキーニなどは、ここの気候では、室内で種から苗を育てなければいけない。4月の終わりから5月になって、外の畑に植え替える。外が十分に暖かくなってから種蒔きしていたのでは、収穫出来る前に秋になってしまうのだ。うちでは、今年は室内での苗づくりはやれないので、苗を買うつもりだ。今月末から来月の頭にかけて、店頭に並ぶそうだ。もし、お店がその前に営業休止となってしまったら、近くの農家で苗を譲ってくれる人を探すことになるのだろうか。
種蒔きをする前に、まだ土づくりの作業もあるので、出来るペースでやるしか無いだろう。天気予報を見ると、晴れ続きなので、種蒔きの後、芽を出させる為に水もやらなければならないようだ。ホースの設置も必要のようだ。
犬用のクリスプ
週末にレインコースト・クリスプを模したクラッカーを妻が作って、家族で楽しんだとき、飼い犬のテテ(7か月)とキナ(もうすぐ5歳)にも少しだけあげた。
その時に、食いしん坊で小さなトリートはあっという間に飲み込んでしまううちの犬たちが、カリカリと割と時間をかけて食べてくれたことに気づいた。
それで、健康的な材料で、テテとキナが喜ぶクリスプを作ったら、少なめのトリートで満足してもらえるのではないかと考えた。特にキナは太り気味に見えるので、食べ物を与え過ぎないように気を付けたい。
早速、今夜妻が、テテとキナ向きのクリスプを作った。主な材料は、豚肉と濃厚な肉汁、ニンジン、ジャガイモ、ヨーグルト、それから全粒粉だ。
出来上がったものを見て、これは、ダンカンのマーケットで職人が売っている手作りトリートとよく似たものとなったことに気づいた。マーケットではとても高い値段で売られていて、これだけの手間を考えればそれは納得がゆくのだが、材料費ということであればぐっと安く抑えることが出来た。
テテとキナは、作っている段階から、もう自分たちのトリートを作ってくれているのだと分かってしまうようだ。言葉を覚えているのだと思う。台所に貼りついていた。
大きめのサイズで分厚く作ったので、一匹一日一枚ずつで満足させようと話した。妻はテテとキナに甘いので、一日に何枚もあげることになるのじゃないかという気がする。
春の枯枝焼却
森の中で暮らしていると、どこでもそうだと思うが、枯木や倒木との付き合いは日常の一部だ。
枯枝の主な処理方法は3つだと思う。一つは、積み上げておいて堆肥化させることだ。これは年月はかかるが、野生生物の住処になるし、いずれ土に還り、保水にも役立つ。この方法は、大きな場所をとることと、堆肥化するまでは山火事の際の燃料になるのが欠点だろう。
反対に、焼却処分してしまえば、これらの欠点を回避できるが、森の有機物をそれだけ奪うことにはなる。
もう一つ、砕いてウッドチップにすると、体積が大幅に減るし、堆肥化するまでの期間も短期化できる。しかし、そうはいっても当面は可燃物を増やすし、また、うちのように家庭用としては大きめのウッドチッパーを持っていても、枝を一本づつプロセスする作業は枯枝が多いと大変だ。
前にも書いたが、今シーズについては、私は焼却処分と積み上げ処理(堆肥化)を併用している。
さて、私の住んでいるノースカウチンの町役場は、春の一か月と秋の二か月の季節限定で庭でのたき火を許している。夏の乾いた時期は、近隣に燃え移る可能性があるから当然たき火は禁止だ。また、冬の雨期の間も、雨で濡れた中でのたき火は大量の煙を発生させ、空気を汚すので、禁止されている。
春と秋であっても、たき火はうちのように近所が建て込んでいない場所だけが許可対象だ。また、気流の具合が煙を上空へ運び去るような状態の日だけたき火が許される(オンラインで告示される)ので、実際にたき火の出来る日は少ない。
今日は、春の焼却シーズンの初日だったが、気流の具合も良く、早速たき火が可能だった。それで、日曜日の予定を変更して、午前中を2か所の枯枝焼却に費やした。
燃やしたのは、主に冬の間に倒れた木の枝と、冬の間に退治したブラックベリーとイングリシュ・ホリー(どちらも放置しておくと、他の植物を制圧して大きなスペースを支配するに至る)だ。秋に焼却すべきものは大抵焼却してしまったので、この春の仕事はたった半日分だった。
倒れた木の枝も、いずれ林床の土に還る大事な有機物なので、何年かで堆肥化が期待できるような場所では、積み上げて鳥の住処になるように放置しておいた。逆に、レッドシーダーの林の中の様に、いつまでも木が腐らない(微生物の活動が少ない)場所では、焼却処分を取った。
山火事の後、火事対策の為、目の色を変えて必死に焼却処分を進めた昨年の春と比べ、今は気持ちも落ち着いた。森が燃えてしまっても、農場に転換すれば良いと気づいたことも、気持ちを楽にした。
良いお天気の下で子どもと一緒に作業したたき火の半日は、仕事というより良い気晴らしだった。
自家製の「クリスプ」、それから妻の職場の引っ越しの手伝い
レインコースト・クリスプという製品名のクラッカーは、日本でも販売されているのだろうか。私にはマーシャ・スチュワート風に見えるレズリー・ストウさんの名を北米に浸透させた製品だ。カナダ西海岸バンクーバーでスタートした、地元産の材料にこだわる美味しい上等なクラッカーだ。
レズリー・ストウのものはとても値段が高いので、妻の友人はホームメイドを食べるようだ。カリカリに二度焼き(一度目はパンとして、二度目は薄くスライスしたうえでクラッカーとして焼く)した、ドライフルーツ、ハーブ、種、ナッツの入ったクラッカーが、「クリスプ」という名前で家庭で作られるようになってきているようだ。ビスコッティに似たところがあるが、もっと薄くカリカリで、もっと少ない砂糖で作る。
妻が、ブリジットのレシピを参考に昨日焼いたものをお茶の時間にいただいた。美味しくできるものだ。私にとってありがたいことの一つは、堅いので、たくさん食べないで満足できることだ。うちの定番になりそうだ。
検索するとオンラインのレシピはいくつも出てくる。今の段階では、まだ「クリスプ」のレシピで検索してもうまく探せない。英語で、homemade Raincoast Crisps と検索すると良い様だ。
********************************************************************************************
今日は、妻の職場の引っ越しの手伝いに費やした土曜日になった。私だけではなくて、他の職員の家族やボランティアの姿もあった。
移転先は、随分大きな場所で驚いた。妻の勤め先は、脳傷害や脳血管疾患によって障害を負った方の生活改善支援をする非営利団体だ。サービスを求める人口が団体の対応能力を超えていて、随分大変そうだ。
新しい場所では、既存の設備で、各種アクティビティ(アート、木工、映画鑑賞などなど)の部屋と、事務所に加え、数人分のケアホームが確保できるようだ。建物の外でも、園芸療法的な活動に使える環境が整っているようだ。広い土地に、今後トレッドミル用のジムだとか、追加的なケアホーム施設なんかも建ててゆく構想らしい(予算が取れればということだろう)。
畑の鹿よけフェンスを拡張する
うちでは、先月から、春の収穫が始まっている。これまでにフキノトウと、スティンギングネトルを随分食べた。ワケギの収穫も始めた。うちで作ったものを食べるのが好きな妻が、次は何の収獲があるのかと聞くので、ワラビ、コゴミ、メープルの花(ビッグリーフメープルの花は結構ボリュームもあるし、良い香りもする)、フキ、アスパラガスなんかは割とすぐだし、今年も春にヒラタケが出るかも知れないよと答える。
一年を通して収穫できるように栽培の方法を考え直そうと思い始めたのは、つい最近のことだ。スーパーやマーケットで買える種類の野菜を自分で作ることも、同じくつい最近、真面目に考えるようになった。
それまでは、家での食べ物の栽培については、森の木や果樹の下で、かつ鹿も来るところで、それでも育つ食べ物を育てることしか考えていなかったのだ。しかも、毎年植えるような手間をかけず、宿根草野菜だけを作ろうと思っていた。野菜作りに毎年の手間を割くつもりがなかったのだ。そんな考えの下、果樹はたくさん植えたし、その合間を縫って、フキ、ルバーブ、アスパラガス、ミョウガ、ワケギ、ラベージ、カマスなどの宿根草野菜を育ててきたわけだ(鹿に食べられてうまく育ってないのもあるが)。
しかし、限られた野菜のベッドを設け、鹿よけフェンスで囲い、カブ、ビーツ、スイスチャード、カイラン、小松菜などを作ったところ、妻がすごく喜んでくれたし、今後に期待されることも膨らんだ。私自身のモチベーションも上がり、今年から拡張する畑での栽培は楽しみにしている。とはいっても、私は野菜栽培に関しては初心者近いし、3月から室内で苗を育てることにも今年は手を付けられない。ゆっくり上達するしかない。
さて、子どもの春休みになり、長女の手を借りて、野菜畑の拡張に伴う鹿よけフェンスの拡張作業もやっと進められている。
フェンスのポストに、私はメタルのTポストと呼ばれる素材を使っている。木のポストを使う人の方が多いし、その方がややコストも低いのだが、Tポストの方が、私の持っているパウンダー(写真中央)で地面に打ち込みやすく、また長持ちもする。メタルのポストだとちょっと殺風景になるが、それは仕方ない。
ちょうど3メートルの長さのポストのうち、1メートル弱を地面に打ち込む。長女が、水準器でポストが真っ直ぐに立つよう調整し、私がはしごの上からパウンダーで打ち込む。
今日一日で、何とか全てのポストを打ち込むところまでは終えることが出来た。
ちなみに、私はブドウ棚にもメタルのTポストを使っている。ポストとポストの間に、牛の囲い込みフェンスの素材を、逆U字に曲げて挟み込むのだ。人の真似だが、大作業になることを覚悟していたブドウ棚の設置を、半日で済ませることが出来た。
バンブルビー(マルハナバチ)の女王
やっと、たくさんのバンブルビーが庭を飛ぶようになってきた。満開の桜の木の下を通ると、頭の上でブンブン何匹も飛び回っている音がする。今の季節に見かけるのは、冬眠明けの女王バチのはずだ。これからそれぞれがコロニーを形成するのだと思う。石垣の穴なんかを物色しているのも見かける。
ヘレボア、クロッカスやヘザーも咲いているが、桜の次にバンブルビーがたくさん来ているのは今はフキの花だ。
フキの花に来ているのは、バンブルビーだけではない。メイソンビー(ツツハナバチ)や、種類の分からないその他のビーもきている。ハナアブもたくさんいる。
うちの果樹で最初に咲くのはプラムだったと思う。3月の末頃だっただろうか。今の段階で既にたくさんのポリネ―ター(花粉媒介虫)がいるので、プラムの受粉も順調にされるだろう。果樹に関して、うちでは、受粉よりも、鹿害、陽当たり、乾燥、肥料不足といったことが問題になっている様に思う。
満開のイングリシュ・プリムローズ
少し前まで、家へ上がってくるドライブウェイで、大雨のたびに水が川の様に流れ、砂利が削られるのが悩みだった。そこで、3年前だったと思うが、ドライブウェイの片側に大きな溝を掘り、水が道から排除されるようにした。そのときに出てきた土を、道の反対側に積み上げたので、そこを周りの風景にブレンドする花壇にすることにした。
家の周りよりも暗い場所だったので、サクラソウ科の植物を試してみようと思った。どの種類が適しているか分からなかったので、いろいろな種類のサクラソウ科の花の種を撒いた。日本のクリンソウ(Primula japonica)やサクラソウ(Primula sieboldii)の種もその中に含まれていた。そして一年目、二年目、そして今年三年目と、少しづつ芽が出て育ってきたのが、イングリシュ・プリムローズ(primula vulgaris)だった。
まだ大きなエリアに50株程度だろうか、まばらだし、一つ一つも小さな株なのだが、それでも近くで見るときれいに健康そうに咲いている。雑草があまり生えず、苔が繁茂してきているだけなので、あせってグランドカバーを充実させる必要もないだろう。ゆっくりの成長ペースでも問題なさそうだ。今後、自然生えで増えてくれるのか、株分けした方が良いのかは分からないが、ゆっくり様子を見ようと思う。
この花壇と、道の反対側の樹木の足下には、昨年秋までに、他にもいろいろな植物を植えてみた。
他に植えたのは、大きなものから、アカハダメグスリノキ、シャクナゲ、ヘレボア、ブルネラ、ドロニクム、ワイルドジンジャー、スイセン、秋咲クロッカスだ。これに、自然に生えてくるメシダ(lady fern)と苔を残して混ぜている。今から2、3年経った時にどうなっているか楽しみだ。植えたときは想定していなかったが、夏は日陰でも乾くようで、シャクナゲだけは週に2度ほど夏の水やりが必要だった。
道の反対側の溝の向こうには、球根植物を入れた。主にワイルドシクラメンだが、スノードロップとクロッカスも混ぜてみた。そこに、また別の種類のシダ(sword fern)が生えて混ざってくれている。
日陰のガーデ二ングは、物事の進行がゆっくりで静かな気持ちになれる。ここは長女もたくさん手伝ってくれた場所だし、次女もステップストーンを渡ってたくさん遊んだ場所だ。
ドンさん、お誕生日おめでとう!
今日はドンさんのお誕生日を、うちの子どもたちも一緒にお祝いさせていただいた。
ブリジットとドンのご夫婦には、カウチンバレーに来てから、妻がたくさんお世話になった。ブリジットさんは、妻のコミュニティ活動の助成金申請書類の英語添削をもう5年くらい続けてくださっている。妻がお礼にお金を渡そうとしても、一度もお受け取りにならない。
ドンさんとブリジットさんは、ボートで世界一周もされて来られて、また中の良いご家族は世界中に分散していて、お話を聞くのもとても楽しい。本当に優しいご夫婦だ。
ポークローストをメインのメニューにして、クインス(マルメロ)のソース、ルバーブのソース、そしてホースラディッシュのソースを用意してみた。いつもは林檎のソースで食べることが多いそうで、どのソースもとても新鮮に感じていただけたようだ。
おめでとうございます。