春日和に秋の色彩の準備
少しまだ肌寒いが、穏やかな日だ。だんだん昆虫が増えてきたようだし、それを追っているのだろう小鳥の声の種類が多い。バンブルビーを見かけることも少しずつ増え、今日も桜の花に少数来ている。
先日球根の植え替えをしたときにやり残したので、秋咲きクロッカスとトリカブトが混じりあって増えているところを掘り起こし、株分けして植え替えた。思い立った時に、それ以外の秋咲きの宿根草も少し動かした。
うちでは鹿に強く、また木漏れ日環境に適した植物が生き残る。木陰ではあってもここの夏の乾期は厳しいので、渇きに強いことも大事だ。最初は庭に晩夏以降の庭の色合いが無かったのだが、ここ何年かで宿根草が少しづつ見つかり、今はそれらがモミジの紅葉前まで庭を彩って、かつバンブルビーの食料も提供してくれる。
晩夏については、キャットミントとビーバーム(モナルダ)が見つかったことが大きかった。そしてアガスターシェはその後も咲き続けてくれる。それから、シーズン最後の秋咲きのクロッカスとトリカブトがうちによく合っているようだ。
今年は、晩夏から秋にかけて咲くゴールデンロッド(セイタカアワダチソウ)も入れてみたので、うちでうまくゆくか観察したい。ちなみに、この植物は喘息の原因になったりしないし、バンブルビーの大好物でもあるらしい。
トリカブトに最初出会ったときには、毒性のイメージが強くて何だか怖かった。でも、考えてみれば、毒の強い植物は庭に他にもたくさんある。スイセン、ジギタリス、スズラン、ヘレボアなどが思いつく。きっと他にもあるだろう。トリカブトは、少なくともここカナダ西海岸では普通にガーデンプラントとして扱われていると思う(ただし、手袋をして植え替え作業をするようにはしている)。
春野菜前のファーマーズマーケット
今日は地元で一番大きなダンカンの土曜ファーマーズマーケットへ出向いた。知り合いと世間話もできて楽しかった。だけど、春野菜の季節前のマーケットでは、出店しているファーマーが少なくて、どちらかというとお土産屋さんや食べ物屋台が目立った。
トマトやズッキーニなどの夏野菜の時期には、ここのファーマーズマーケットは、人でごった返す。客足も多いが、ブースを出すファーマーの数も多い。
それが、夏野菜が終って、葉物や根菜中心の時期になると、ファーマーのブースは少し減る。そして冬になると、ファーマーは、セラーに保存してある野菜が尽きた順にさらにマーケットから姿を消す様だ。マーケットに残っているファーマーのブースでも、この時期はそれほど売れ行きが良い訳ではなさそうだ。
なぜこのマーケットで冬を通してたくさんのファーマーが野菜を販売し続けてくれないのか。
マーケットで出店する地元の農家のほとんどは小規模で、温室での野菜栽培は利益を出すのが難しくて普通やらないらしい。それでも、冬にマーケットで売る野菜をもっと充実させることは、農家の側からすると可能なはずだ。冬に出店を続けないのは、消費者の方が買いに来なくなるからだと思う。聞き及ぶ話をつなげると、そう推測される。
環境コンシャスな住民が多いカウチンバレーでは、カナダの一般的な町でよりは、できるだけいつも地元の農産物を買いたいと考える消費者が多いと思う。それでも、多くの消費者は、夏の一時期だけ、「特別に甘いイチゴを買おう」、また「特別に美味しいトマトを買おう」と思ってマーケットを思い出すだけなのではないか。
秋になって、葉物中心の時期になったときに、食生活をそれに合わせるのではなくて、遠くから運ばれてきた野菜をスーパーマーケットで買って、年中同じような種類の野菜を食べるのが、この地でもやはり一般的な行動みたいだ。
もっと寒くなってくると、その時期に強い白菜、ネギ類、大根などの消費が増えるのであれば、地元農家もそれらを冬に収穫できるように栽培するのだろうが、消費を栽培の都合に合わせてくれる消費者はあまり多くないようだ。こういったアジアの野菜は、今でも限られた人が食べるだけみたいだ。
さらに、春に近づいてくると、例えばネギ類でも、地元で外の畑にあるのは、味は良くても見かけがベストではなくなってくる。根菜でも冬を越して今掘り出しても大丈夫なものもいろいろあろう(カブ、ニンジン、パースニップなど)が、美味しくても見かけは少しハリが欠ける。セラーで保存できる野菜(カボチャ、キャベツ、ビーツ、ジャガイモなど)も、この時期見かけはベストでは無い。また、フキやスティンギングネトルのような山野菜や、もうそろそろ出てくる菜の花などは、誰もが食べるものではない。
やはり、一般的な消費者は、今の時期に地元の農家が用意できるこれらを食べるよりも、遠くから運ばれてきたものをスーパーで買うように習慣づけられているのだ。
こんな消費者側の事情で、一年中マーケットに立つファーマーが少ないのだと思う。
マーケットで買えるローカルの農産品が冬の間は豊富でなくなるので、地元で生産された野菜を中心に一年中食事をしようとすると、やはり自分の畑で作ることになる。
それにしても、マーケットで買ってきたサワードーのバゲットが美味しい。このダンカンのマーケットでだけ販売しているパン職人さんで、今日も行列ができていた。
無残なハーブガーデン
風邪をひいてはいるが、手術後のテテ(犬、7か月)を、一日に数回リーシュをつけて散歩させる必要はある。
ちょっとだけ、お気に入りのハーブガーデンのスポットにも座らせてやった。
このハーブガーデンに座るのは、うちの犬の伝統になったようだ。キナ(もうすぐ5歳)も子犬のときはよく座っていた。テテもガーディアンドッグなので、外に出しておくと、外を監視しながらも、家族がいる家の入口近くに陣取りたいのだろう。そうすると、石畳の一段上にあるハーブガーデンの、イベリス、セージ、ラベンダー、ウィンターセーボリーといった大きめの植物の株の上に座るのが心地良いようだ。
テテがうちに来てから、ハーブガーデンは、植物の枝がベキベキに折れた可哀そうな状態だ。キナのときは、成犬になったらそこには座らないようになり、植物もその後回復したので、同じようになれば良いなと思っている。かわいらしいヘビの住処でもあったので、それも戻ってきてほしいものだ。
ハーブガーデンには、その他タイム、スイートマジョラム、オレガノ、チャイブ、レモンバーム、スペアミントも植えてある。どのハーブも使うが、うちの一番人気はセージのようだ。レモンバームも良く使うが、畑の隅や庭でどんどん増えるので、そちらの方から取ってくる。
今年は、家の南の花壇でも、別のハーブの栽培を増やすつもりだ。ニラ、フェンネル、パセリ、バジル、カモミールを試そうと話をしている。一度うまくゆかなかったシソも、もう一度試してみたい。
それにしても、外に少し出ると、鳥の鳴き声の種類が多い。まだなかなか聞き分けられない。姿を見かけたのはユキヒメドリだけだ。庭に座って鳥の姿と声を追い、もっと声と姿を結び付けられるようになるよう時間を取りたいものだ。畑や薪の作業の見通しが立ったらだろうか。
春の花壇の隆盛前夜
家の前の桜の木の下には、春に咲く、木漏れ日環境が好きな植物が多い。冬の間に落ちた木の枝などを片づけてやったところ、咲き始める準備が進んできているように見受けられる。どういう順番に咲くのだったろうか。スイセン、スノーフレーク、ブルネラ、ドロニクム、馬酔木、オーブリエッタ、カウスリップ、ワイルドジンジャー、シャクナゲ、ツツジ、ブリーディングハート、アメリカシャクナゲといった順序だったろうか。
ここにはいつも植物が多過ぎるので、掘り出して減らしてやろうと思っているのだが、まだ十分に出来ていない。他にもやることがたくさんあるので、また先送りだろうと思う。
早咲きの桜の一つは、ほぼ満開になったようだ。バンブルビーも、少数だがやっと見始めた。この桜の花に来ていた。
服の修繕、ナナイモの町、そこで見かけたワークショップスペース
妻は洋服を直して長く着続けることをとても大事にしている。使い捨てが前提になっているような洋服(ここでは、ジョーフレッシュというブランドが代表のようだ)は買わないし、子どもの洋服は自分で作るか、お古をもらったものばかりだ。私の洋服を作るときも、使い残しの布を上手に貼り合わせて使う。ゴミを増やすのが大嫌いなのだ。
そんなことで、十数年使っているお気に入りのハスクバーナのミシンは、妻が山火事の時に避難の車に詰め込んだくらい、大事なモノだ。そのミシンが不調のとき、これまでにビクトリアの修理屋さんとナナイモの修理屋さんに頼んだが、ナナイモの修理屋さんの方が知識もあり、より信頼できると判断したようだ。(注:後日、ミシンの使用を再開したところ、直っていなかったことが判明。その時の電話対応がとても悪かったこともあり、結局ビクトリアの修理屋さんに持ってゆくことになったようだ。)
私と妻は、この島に引っ越して以来、南のビクトリアと北のナナイモで用を済ませることがままある訳だが、以前はビクトリアの方が便利だと感じていた。しかし、最近ナナイモを見直すことが多いように感じる。
ミシンの修理屋さんだけでなく、日本やカナダ国内に旅行に出かける際も、ナナイモ空港が随分便利になってきた。近く、ターミナルも拡張するそうだ。
ビクトリアの美術館は確かに貯蔵品の量など大変なもののようだが、気が付くと、ナナイモ美術館の方が、新しくて面白いことを頻繁にやっているようだ。ビクトリア大学は有名大学だが、ナナイモのバンクーバーアイランド大学だって今や総合大学だ。
ナナイモでは、住人は港湾・建設業や、それから林業などの古い産業で働いて、買い物は味気の無い箱型モールでする、というイメージを持たれていただろうし、今もそういうインダストリアルなテイストが残るのだろう。しかし、例えばテクノロジー産業でも、掛け声だけでなく、実際にナナイモに住んで働く人も増えてきていると聞く。箱型モールよりは味のあるお店の集積に当たることも、前より増えてきた気がする。
レクリエーションでも、マウンテンバイクトレールは、カウチンバレーの方が盛んなのだろうと思っていたが、そうでもないようで、ナナイモの周辺のトレールも大変充実していて、よく使われているようだ。
自分自身がナナイモに住みたいか考えると、農業の存在感がとても薄いので、自分には住みにくいところがあるかなと思う。町の南と北に随分離れたところにある農業地区は規模が小さく、またナナイモの町の中でマーケットを開くようなことも無いようだ。港から入ってくる食べ物に依存する色彩がカウチンバレーに比べれば高いのだろうと想像する。
ナナイモの発展を見ると、カウチンバレーは取り残されたように見えるが、自分はここで良いかなと思う。でも、例えば日本からやってくる若い人が、仕事をしてゆくことを考えたら、ナナイモは良い選択肢のように見える。ビクトリアよりも、新しい人が求められているような活気を感じる。(客観的なデータは見ていません。あしからず。)
修理済みのミシンを受け取った後、立ち寄ったパン屋さんの隣で、装飾品屋さんに入ったら、妻がそこのワークショップスペースに目を止めた。広くてたくさんの人数が一度に作業できるし、窓に収納・展示枠が設置されていることが参考になったようだった。彼女の職場でも、新しい場所に移転したらワークショップスペースを作ることになるだろうから、参考になるものを見たいようだ。私も、いつか今の住処を作り替える可能性(森が焼けた時?)を考えると、妻が興味を持つスペースには関心を払っておきたい。
実は美味しかったスティンギングネトル
裏の山を犬と散歩していると、スティンギングネトル(セイヨウイラクサ)が芽を出して来たのに否応なく気づかされる。この植物の健康上の効果をいろいろ聞き及んできた妻が、今年も、収穫して食べようと言い出す。
スティンギンネトルは、北米では大変広く食用とされている野草なのだが、私はこの植物との出会い方があまり良くなかったのだろう。収穫の手本を見せてくれた友人は、随分大きくなったネトルを、地面に近いところまで収穫し、大量のネトルを干して一年使うのだと説明してくれた。それに倣って干して使ったところ、のど越しが悪く、ざらついてせき込みそうな食べ物だなとの印象を持ってしまったのだ。
その為、その後、昨年まであまり食べなかった。
今回、たまたま、新芽のトップの部分だけをその日に消費する量だけ収穫し、丁寧に作ったチキンスープに入れた。
これが、大変な美味だった。とても柔らかくなるのだが、ほうれん草の葉ほどは煮崩れずに立体感がやや保たれて、 口の中にふわっとした抵抗感を与えた後で柔らかく噛まれてくれる。えぐみも無く、香りも良いのだ。のど越しの問題も無い。
家族中で好評で、翌日も同じように収穫してきた。何しろたくさん生えている。
当面この野草は、新芽のトップだけを食べるその日に収穫する、季節ものの山菜として扱うことになるだろう。この春、あと何度か食べたいものだ。
運に恵まれた今シーズンの倒木
今週、もう一度雹か雪が降る可能性もあるようだが、もう冬の嵐のシーズンは終わっている。このシーズンの自然倒木によって生じた作業は、さほど多くない。一年前のシーズンに到来した記録的な大嵐で、倒れそうな木が一通り倒れてしまっていたことが大きいだろう。
それでも何本かの倒木は起こった。しかし、それらの倒木は、植木、畑のフェンス、あるいは建物などに、被害を及ぼさなかった。直近の大風では、池の近くで数年前に枯れたバルサムの木が倒れたが、梨の木を挟んで両側に枝が落ちたものの、梨の木の枝一本も折らなかった。同じように、桜の木やモミジを避けてくれたかのような倒木が、他にもあった。
今回倒れたバルサムの木は、随分朽ちている枯木でもあり、幹は邪魔にならないところに転がして昆虫の住処にし、完全に朽ちさせるつもりだ。枝は、積み上げておけば、鳥の住処になるかも知れない。
山火事から月日がいくらか過ぎたこともあるし、また、最近は、森が燃えてしまったら別の暮らし方(農場転換)をしようという考えになってきたこともあり、可燃物の処理に神経質になり過ぎていた心理状態からは脱してきたようだ。
レモンとサンルーム
今日はレモンを使って二つのお菓子(?)を作ったので、それに関連して考え事もした。
夕食は妻と長女が作ったので、庭仕事から帰って一緒の時間にキッチンに立った私は、端っこの方でレモンカードの材料とレモンクッキーの生地を準備し、レンジとオーブンが空くのを待った。レモンカードは初めて作ったので、インターネットで見たレシピにそのまま従った。レモンのクッキーは、何度も作ったサクサクした食感のものだ。
妻は、柑橘類(中でもレモン)が好きだし、出来るだけ地産地消にしたい人なので、ここの気候では柑橘類が育てられないことをとても残念がっている。私だって、バンク―バー島では売られていないユズを料理に使いたい。
レモンとユズを育てたいので、家に接続したサンルームか、あるいは家からは離れたグリーンハウスを建てることは、前からよく話題に上る。しかし、具体的に考えようとすると、これが難しいのだ。
家に接続するサンルームであれば、建築規制とか今のガーデンの構造、それから陽当たりを考えてゆくと、やはり南側のデッキの場所に作ることになるだろう。しかし我々のデッキは、夏の間毎日のように使うスペースなので、半分サンルームに取られるのは困る。やるなら思いっきり大きくして、今のデッキを全て包含するサンルームにしたうえで、一部は植物の栽培に、そして残りを食事やお茶の場所にすることになるだろう。ほぼ家と同じ基準の強度にするために、基礎から手を入れ、かつ屋根の形も変える大工事となろう。冬の暖房も大変なことになりそうだ。これに踏み切るだけの確信が持てない。
家から離れたグリーンハウスも、良い場所がなかなか無いのだ。うちのほとんどは斜面だし、木を倒すつもりもない。陽当たりの良い平地で、家から遠くないところとなってくると、家の裏のガーデンか畑の一部をグリーンハウスに切り替えることになってくる。小さなものにして、木の枝が落ちてきても割れないプラスチックシートのハウスを作るということだろうか。その線で比較的近い将来一つ設置することになるのかも知れない。
いずれにせよ、農場転換(森が焼けた場合)する場合には、サンルームは必ず設置するものの一つになろう。ファームハウス、家畜小屋や納屋、アートスタジオなんかについても、場所やデザインのアイデアを少しずつ膨らませたい。(それより農場全体の構造の方がもっと先に来るべきではあるが。)
カマスとその他の球根の植え替え
うちでは、カマス(カマシア)を食べ物として栽培し始めた。栗とポテトの中間のような味でとても美味しいと聞いたのと、うちの木漏れ日の環境で簡単に育ち、よく増えるからだ。水をやる必要も無い。また、一年中いつでも食べる分だけ掘り出せるのも魅力だ。サツマイモやサトイモを育てるにはここは寒すぎるし、ゆり根は鹿がいて育てられない。また、ジャガイモは、地元産の良いものがいつも店に山積みなので、うちで栽培して保存しておく意欲が湧きにくい。
実際に収穫して食べ始めるのは2年以上先だろうと思う。一番初めに、3つの専用ベッドにカマスを植えた。今日は、昨年秋のやり直し3つも含めて、カマスの為に用意したベッド5つに植えこんだ。来年、おそらく最後の2つの大きなベッドにも植えることになると思う。
ベッドに植えこむ苗は、そこら中にある。モミジの下に、シャクナゲの下に、馬酔木の下に、また小手鞠の下に、誰が種を運んでくるのだか、たくさん出てくる。これらは、苗としては使えるが、他の植物の根と入り混じって生えているので、収穫用には適さない。
カマス専用のベッドで育てることにした理由は、掘り出しやすさだけではない。有毒なスイセンの球根の混入を防ぐ意味が大きい。カマスの地上部分が生えている時にだけ収穫するのであれば、間違いは起きにくいと思うのだが、地上部分がなくなっている季節にも収穫できるようにしたかったのだ。
実際に、昨秋、地上部分がなくなっているときに掘り出してカマスのベッドに植え込んだものは、ほとんどスイセンだった。3つのベッドは、その為に今回の植え直しになった。球根だけでは、私も区別が付けられなかった訳だし、実は球根を見せたナーサリーの人も間違えてカマスだと確認した。
今日植え込んだ5つのベッドには、一つのベッドあたり20~30くらいの苗しか入れられていない。時間があればもっと入れたいが、もしそれが出来なくても、いずれ彼ら自身でびっしりと数を増やしていってくれるだろう。
それから、昨日までに、カマス以外の球根の植え替え作業も進めた。
スノードロップは株分けして、密度が低いところへ植え込んだ。あとは、何年間か放置して観察するだけだろうか。
スノードロップの近くでは、二つの花壇をクロッカスに充て、セダムやタイムが地を這う中に、来年からクロッカスが出てくるようにした。
それから、病気のヘレボアを掘り起こして空いた場所の一部には、スイセンを植えた。初めてスイセン専用に充てた場所になった。私の場合、球根植物は決まった場所を専用にしておかないと、夏に地上部が無くなったときに植わっていたものを忘れ、秋に別のものを植えてしまいがちだ。
インディアンプラム oemleria cerasiformis
ここ西海岸で最も早く咲くネイティブの低木が、インディアンプラムだ。まだ葉が開かずに上を向いているときに花が下に垂れる様子がユニークだ。
同じような大きさのネイティブの低木のうち、うちに多いのは花の咲く季節順にサーモンベリー、ハックルベリーとオーシャンスプレイであり、インディアンプラムは少ない。カウチンリバーの近くなどでは、インディアンプラムが林縁を埋め尽くしている様子を見かけたりするが、うちの周囲とは何らかの環境の違いがあるのだろう。過去に、ジュディーからもらった何本かのインディアンプラムの苗をうちのドライブウェイ沿いに植えたが、すべて消失してしまった。意外と難しい植物だという印象を持っている。
冬の終わりに咲いて、特に春に鮮やかな黄緑色を提供してくれる植物として、インディアンプラムを増やしたいと考えている。昨年親木の根から生えた若芽を掘り取っていくつか鉢植えしておいたら、いずれも今小さな葉が出てきている。しばらく鉢植えで育てた後、次は鹿よけで囲ったうえで再度ドライブウェイ沿いに植えて、水をやるなどの手をかけて試してみたい。