Part and Parcel
私はヒップスターでは無いが、シカゴやニューヨークなどの北米の大都市に住んだり滞在したときは、ヒップスターネイバーフッドで食事やコーヒーを取るのがいつものことだった。一番好きだった住処もシカゴのウィッカーパークだった(まだ高級化する前の)。多分、混ざりこんで埋もれられる感覚が心地良かったのと、ビストロをさらに崩してエスニックな要素を取り込んだようなカフェが美味しくて値段的にも安心だったからだろう。メインストリームっぽいところだと、マイノリティの気持ちになったりするし、ヒスパニック街やポーリッシュ地区などのディープな食事処だと他人の場所にいる気分になるときもあった。そんな中で、ヒップスターネイバーフッドが若いころの自分にはちょうど心地よかったのだろう。
バンクーバー島には、ヒップスターネイバーフッドと呼ぶほどの場所は無いが、一番それに近いのはビクトリアのクオドラ通りとヒルサイド通りが交差するあたりだろう。今日もここのパートアンドパーセルというカフェで昼食をした。ブロッコリーとフェタチーズのサンドイッチが香ばしくて美味しかった。
私はこのカフェが好きだが、今日店を出るときに、妻が、「ここもうるさく感じるようになったね」と言った。気持ちは分かるなと思った。田舎の山の中に住んで7年半たち、街の騒音に耐えるのが随分難しくなってきているようだ。それから、カナダ、しかも西海岸という地域性がある気がする。カナダだからか、西海岸だからかは私にはわからないのだが、ここでは、白人中心のエリアにいても、民族色が強い場所にいても、シカゴやニューヨークで時に感じたような居心地の悪さに出くわさない。ヒップスターネイバーフッド特有の居心地のよさというものが何だったか分からなくなったように思う。
でも、パートアンドパーセル、味も良いし、ビクトリアで昼食となるときにはまた行くだろう。