メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

日本の田舎に移り住んだら

時折、今住んでいるカナダ西海岸の森の住処から、日本の田舎に移り住んだらどう環境が変わるだろうかと考える。ここでの気候変動の影響を目の当たりにして、時々弱気になるからだと思う。ブリティシュコロンビア州では2017年から、また隣のアルバータ州ではその少し前から、爆発的に山火事の規模が広がり、またここでは乾期の気候に適応できなくなった樹々の枯れ死が目立つ。

 

日本の田舎と比べるときに、比較対象としてイメージしやすいのは自分の育った頃の知多半島の実家だ。子どもの頃は開発前で家の裏は里山風景だった。その他に私のなじみがある田舎の風景には、母の実家の奥三河の山寺があり、それは美しいところだったが、今はあれだけの山奥は住みにくくなっているだろう。それから、義理の母の現在の住まいは八ヶ岳の山麓で、山並みの景色が素晴らしく情緒ある古民家が並ぶ場所で、これも参考になる。

 

いずれを思い浮かべるにせよ、日本の田舎の文句なしに良いところは、夏に雨が降り山火事の危険が無いことだ。そして、夏の雨のため畑や庭の植物に水をやる必要性が格段に低い。

一方で、日本の田舎に移ると、覚悟しなければならないのは私自身の花粉症だろう。今カナダではマネージできているが、ある年齢になってから、日本にいた時は東京に居てすら苦しんだ。これは、日本の田舎暮らしを考えたときに私にとっては無視できないことだ。

また、私の実家では蚊が多かった。しかし、八ヶ岳では少ないようだったので、これは場所によるものなのかなと想像する。

私の知る日本の田舎は夏の蒸し暑さが厳しかったが、ブリティシュコロンビア西海岸の夏の空気は気持ち良い。ただし、これは火事の危険と背中合わせだ。

鳥獣害が日本の田舎ではここより厳しいと、和歌山で田舎暮らしをした友人夫婦に教えられた。しかし逆に、ここでは鹿などを食べるクーガーがいるので、それが怖くはある。

 

こうして、特に重要かと思われるところを挙げてみると、何の制約もなく考えるとしたら、私は日本の田舎暮らしを選ぶ可能性が高い気がする。その他の考慮点もたくさんあるだろうが、どちらかに気持ちを傾かせるほどの影響はない予感がする。

 

さて、現実を考えると、私は今のところに住み続けたいと思っている。子ども達二人にとっては、今から日本語で教育を受けることのハードルは相当高いだろう。妻にとっては、カナダは機会の土地だ。仕事もアートプロジェクトも格段にやりやすいようだ。家族が幸せに暮らせることが自分にとっては最重要だ。私はパソコンがあればどこでもそう変わらない。

そして、この8年弱で作ってきたものは、自分にとってもやはり大事だ。親元から独立して以来最も長く暮らした場所であり、コミュニティもできてきたし、家や庭にもたくさんの努力を投入してきた。

それで、長くここで暮らしたいと思っている。しかし、自然災害によりここで住むことを放棄せざるを得ないこともあるかと思い、このブログに写真や考えたことの記録を残し始めた。今年の9月から書き始めたので、とりあえず来年8月まで書いて、四季それぞれのことを書き留めておきたい。

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知多半島の実家から送られてきた写真(2018年)