メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

ダグラスファーの枯れ死

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斜面の上の中央が枯れたダグラスファー。スケールが分かりにくいが、高さは30メートル超、幹の直径は下の方で80センチ超といったところだろう。馬鹿にならない大きさのものだ。


私たちが住み着いてから、初めて成熟したダグラスファーが枯れた。手前のビッグリーフメープルの枝葉がこの木を覆い隠していたのだが、先月メープルの葉が落ちてから、何か風景がおかしいようには感じていた。よく見て、枯れているのに気付いた。森林保護区の中なのだが、木はこちらに傾いていて、倒れたら私たちの果樹などに被害が出る可能性が高い。

町役場の森林保護区管理担当のショーンに連絡したところ、すぐやってきてくれた。ダグラスファーが枯れることは、彼にとっては珍しいことでは全くないそうだ。バルサムモミやヘムロックが気候変動で枯れて急速に減りつつあるのと違い、ダグラスファーが枯れるのは大抵例の昔ながらの根腐れ菌の活動によるものだそうだ。先日家の近くで見つかった根腐れダグラスファーと、今回のダグラスファーの間には、100メートル弱の距離があり、かつその間に挟まれたダグラスファーには菌の活動の跡が見られないことから、二つの感染は別の個体(菌)によるものだろうとのことだ。今回のは、メープルに囲まれているし、周辺の他のダグラスファーの大木は既に倒れているようだから、対応としては今回の木を取り除くだけで良いだろうとのことだった。

この木を倒すのには少し手間がかかるようだ。奥に向かって倒すと他の木に多大なダメージを与えるので、木に登って枝を落とし、それから上から順番に幹を落とすそうだ。可燃物となる枝は森の中に残さず、大型のウッドチッパーで砕いて持ち去ってくれるそうだ。

「あなたは、火事の後、森の可燃物の片づけを文句も言わずに自分でやってくださった。今回の作業は、私たち森林保護区の管理者の当然の義務です」、とショーンは言った。木の幹は地面に転がして残してゆくが、よければ薪にして使ってくださいとも言い残していった。薪は余るほどあるのだけれど、親切な隣人だ。私は、東西南北全方向良い隣人に囲まれていると思う。

 

この場所は、これまでも木が少なくて、嫌な雑草がはびこるのが悩みだったので、その話にも及んだ。特に嫌な植物は、訪問客が眉を顰めるエニシダやアザミ、そして長女のアレルギー源であるフランスギクだ。雑草を中長期的に抑えるため、私はすでに森林保護区の中にアメリカハナノキやノルウェー楓を植えているが、今回木を取り除く場所をどうすべきか話し合った。町役場側で用意出来る木は針葉樹ばかりとのことだが、おそらく環境に合っているだろうアービュータスの苗を、どこから掘り出してこられるか教えてくれた。それを試すのが良いかもしれない。

今後、木がなくなった場所に、ビッグリーフメープルを植えようと考えて、コンテナーで苗を育てている。しかし、今回気づいたことは、渇きが問題になる場所では、アービュータスやギャリーオークの方が適性が高いということだ。今後、これら3種類の木を使い分けてゆくのが良いのかも知れない。