うちや周辺の森で圧倒的に最も多い広葉樹はレッドアルダーとビッグリーフメープルだ。
レッドアルダーは湿ったところでは雑草のように新しく生えてきて、日光が届く環境だと集団で大きくなる。うちの下の砂利道に入る前の公道沿いは、町がロードサイドの草刈りをしてくれるので普段は管理していないが、この数年は溝の中にびっしり生えてくるアルダーは放置していて、もう私の身長の2倍くらいになってきている。この冬に一度処理した方がよさそうだ。
ビッグリーフメープルは毎年種から結構大きな芽がたくさん出ているのを見るが、気が付くと消えている。それでも、少し暗くて湿り気があり、いくらか陽が差す良さそうな場所には、小さなビッグリーフメープルの木が育ち始めていることが多いので、少数生き残るのだろう。ビッグリーフメープルの春の花は私たちが食べても美味しいが、バンブルビーもよくこの花に来る。
2、3年前に、私がモミジなどのカエデ類を植え始める前は、うちには、ビッグリーフメープル以外では、家を建てたクラークさんが植えたモミジの木が一本あっただけだ。ちょうど私たちが住み始めてから、このモミジの木が、急速に成長した。イロハモミジ(acer palmatum)の類で、春から夏は薄めの緑で、秋には黄色っぽく紅葉する。
このモミジに、バンブルビーがたくさん集まっているのに一度だけ気づいた。何しろ目立たない花なので、これが毎年起こっているのか、私が気づいたその年にだけ起こったのか分からない。その時との前後関係は思い出せないが、このモミジの足下に種から小さな芽がいくつか出ていたのにも、これまでに一度だけ気づいた。その時にいくつか植木鉢に移しておいたが、あまり大事にもしなかったので、一本だけが今生き残っている。
今は私の足の付け根よりもまだ背が低いくらいだが、健康に成長してきているようだ。夏の色が濃い緑で、秋はかなり鮮やかな赤になった。葉も大きめで、親モミジと随分違って見える。あと2、3年したら、外に植えられる大きさに育つだろうか。
報道で聞くし、自分の目にも見えるのは、気候変動により、この地からバルサムモミ、ヘムロックとレッドシーダーが急速に減っているということだ。ビッグリーフメープルは、新しく生えては来るが、これまでより短命化し、古い巨木は生まれにくくなるそうだ。ダグラスファーは、今生えているのは根が深く生き残るらしいが、新しい木が根付くのはこれまでよりぐっと難しくなるそうだ。そんな悲しいトレンドは、南向きの斜面にある私たちの住処には大きく影響するだろう。
うちでは、今後枯れた木の後に、自然生えの若木が無い場合や、あってもバルサムモミの場合には、カエデ類を人工的に植えてやるだろうと想像する。ビッグリーフメープル、モミジ、それからアメリカハナノキやノルウェーカエデについて、足元に自然生えしている苗に少し注意を払うようにしたい。植木鉢に移して苗を育てておく意義があるかも知れない。