メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

簡素に暮らす

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残念ながら、窓に当たって息絶えたロビン(コマツグミ)

ストーブの脇でパソコンに向かっていたら、ドアをたたくような音がした。見に出ると、ドアの下にロビンが動かなくなっていた。残念ながら、一時的な気絶ではなくて、息絶えている。

ここに住んだ7年半で、窓に当たって絶命した小鳥は、おそらく4羽だ。いずれも悲しい出来事だが、最小限に抑えるように心がけてはきた。デッキのフェンスをやり直したときに、業者さんはガラス張りを強く勧めたのだが、私と妻は、鳥が衝突するのを嫌い、ピケットフェンスにこだわった。家の窓を随分増やしたが、二つの窓を通して、空間が続いているような誤解を鳥に与える作りは避けた。

この辺りに住宅ができたのは、30年前からなので、それまではここは完全に森の一部だった。その動物の生育環境が失われないように、敷地の大半が、森の続きであるような環境を保つようにしている。畑や果樹はもともと開けていたところだけを利用する。むしろ、人工林ゆえに木の種類が単一化していたり、開けてイネ科の雑草に覆われているところに、植物の多様性を持ち込んだ。また水を堰き止めて池を導入し、生物の多様性に貢献するよう努力している。

クマに関しては、歓迎するという態度は共生につながらない。家に近づかないよう配慮することで、動物保護官が登場する(つまり射殺する)ようなことにならないように心がけている。

日々の生活の中でも、消費の簡素化は妻の一大テーマだ。洋服は出来るだけ買わずに、古着などから子どもの服をつくるようにしている。買い物袋を含め、新たにプラスチックを家に持ち帰ることは最小化している。豪華なプレゼントを交換する北米のクリスマスや誕生日の習慣とは距離を置く。食事はカナダのスタンダードと比べて動物性の食べ物がずっと少ない。ゴミの収集日には、うちのゴミの量が、道路沿いの家々から出ているのよりもずっと少ないのが目に見える。

車の使用はできるだけ抑える。皆が持っているような大型車は買わず、どうしてもトラックが必要な時には人を雇う。公共交通機関(スクールバス、公共バス)を出来るだけ使用する。

子どもの学校でも、環境や消費について教えるのに熱心な先生がいるようで、ありがたい。

 

さて、小さなフットプリントの生活を心掛ける私と妻だが、資本主義反対ではない。環境規制強化、温暖化防止やセーフティネットの充実は賛成だが、収入が人をモチベートするシステムや自己責任の原則は、他をもって代えがたいと思っている。株式に投資もする。

それで、最近の、温暖化防止運動が資本主義全否定の運動と一体になってしまっているように見えるのは、困ったものだと思う。環境保護や温暖化防止に投票、協力したいのに、別の極端なものが一体になってついてきてしまうように見えるのだ。特に隣の米国でその傾向が顕著な様に見える。応援したくても、出来なくなってしまう人が多いのではないだろうか。切り離された運動にならないものだろうか。