メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

ビッグリーフメープルとの付き合い

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家からやや離れたところに、5本のビッグリーフメープルの木に囲まれた場所がある。3本は巨木の範疇に入るだろう。夏にもひんやりしてとても涼しく、地上から上を見上げると風で揺らぐ葉と木洩れ日がとてもきれいで、夏の読書、パソコン作業やお昼寝に最高だろうと思った。

それで、今年の春に、大人が寝られる大きさのベンチを二つ置き、妻が枕になるクッションも用意した。しかし、この夏は頻繁にクマが訪れたため、家から離れた場所に静かに寝そべる気にはなれなかった。野良作業でもしていれば、音を立てるのでクマはある程度距離をとってくれるだろうが、寝ていては、クマも知らずに近くへ来て対面してしまい、お互いに驚くことになってもおかしくない。

まだ今年の夏には二匹目の犬であるテテもいなかった。キナだけでは、ベンチのところに連れて行っても、一人でどこかへ出かけてしまうので、見張りとしては不十分だ(テテは、今のところキナと違って人にくっついて過ごす性質に見える)。

そんなことで、今年このベンチはここに置いてあっただけで結局使用しなかった。来年どうするかはまだ分からない。テテが出先での見張りとしてキナより高い適性を見せてくれるかも知れない。一方で、他にもベンチを活用できる場所はある。

 

このベンチ周辺だけでなくて、ビッグリーフメープルは、うちに生えている木の中で、最も心地よい場所を生み出してくれる樹だ。家のデッキもメープルの木陰だから夏も快適だ。私の好きなヘレボアガーデンも、メープルの樹の下だ。

そして、庭を造って管理するうえで、ビッグリーフメープルはいくつものことを考えさせる。

 

一つは、特に隣の米国ワシントン州で、ビッグリーフメープルの枯死が問題になっているということだ。原因は解明されていなくて、気温の上昇やその他の要因の複合ではないかと考えられているようだ。大きなビッグリーフメープル一本が枯れると、ぽっかりと空が開いて、風景が全く変わってしまう。うちでは、それが隣地との境いの近くで起こり、跡地に何本も花木を植えることで対応することになった。

枯れる前に、いくつかの兆候が見られるそうだ。葉が小さくなること、葉が焼けたような茶色になること、そして幹が黒くなることなどだ。うちでは、一番上の池の空を部分的に覆っているメープルと、井戸の近くのメープル一本が、黒い幹を見せている。これは、枯れる兆候なのかもしれない。

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幹の根元が黒いメープル

 

それから、将来大きな木が必要になるかも知れないところに、ビッグリーフメープルの若木を用意しておきたいと最近考えている。将来なくなりそうな木の近くに、ちょうど良いタイミングでメープルの若木が育っていれば、慌てずに済む。既に自然に若木が生えている場合もままある。これは、まだ最近考え始めたばかりで、今はいくつかの場所を念頭に、苗木をコンテナーで育てているだけだ。苗木の数はもっと増やしておきたい。

 

最後に、ビッグリーフメープルは、将来の樹形を操作しやすい木なので、必要なところでは忘れずに手を入れようと思っている。枝の剪定ということもあるが、もっと大胆な方法では、成長した木を一旦根元でカットしてしまい、小さな木から再スタートさせるようなことも行われる。うちではカットしたことは無いが、過去切り倒されたか枯れて倒れたかで、再生の過程にあるメープルが何本かある。

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再生してきたメープルの例

再生してきたメープルは、たくさんの枝分かれをしている場合が多いので、都合の良いもの一本から数本を残して剪定するのが良い。先週、野菜畑の近くの再生メープルにつき、野菜畑をさほど日陰にしない方向のものだけ一本を残して、他は切り落とした。

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野菜畑の近くの再生メープル。剪定したところ。

 

ビッグリーフメープルとは、既にいろんな付き合いをしてきている。倒れた木をチェーンソーで製材して、たくさん家の内装に使ったこともその一つだ。今後、ビッグリーフメープルを巡って、庭でいろいろな出来事があると思う。長い付き合いになるだろう。

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庭で倒れたメープルで作ったカウンタートップ。下のキャビネットの引き出しやドアはまだ作れていない。