メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

秋のドロニクム

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豊富な9月の雨で、早めに出そろってきたこの秋のドロニクム

秋の花に勢いがなくなり、遠からず紅葉の気配を醸す庭木の下などで、フレッシュなライトグリーンを地面にびっしり敷いてくれるのが、雨期の初めのドロニクムだ。以前の住人が、桜の木の下に何株か残していってくれたものなので、品種は分からないが、うちのは4月から咲いた後、夏の乾期の間に地上部が無くなり、雨期の開始とともに再び葉を出し、冬を越して春の花のスタートまで地面をカバーする。水やりは一切不要で、地面に水分がある間だけ活動する。この地で渇きに強い植物の一つの在り方だ。

東京からこの家に引っ越してきたときが4月だったが、その年の5・6月に、コトネアスターの小さな花にものすごい数のバンブルビーがたかっているのを見て感動した。それで、バンブルビーが早春から秋までずっと庭で食べ物を見つけられるようにと、各季節の花を試してきている。うちで成功できる花は、鹿に食べられず、日陰に強く、渇きにも強いという3つの最低条件を満たさなければならない。3つ目の条件は、夏の乾期に水をむやみに使わないためだ。慣れない我々にとっては難しい試行錯誤の連続だった(現在も進行中だ)。

今考えれば、ドロニクムが、これらの条件を満たす我々の最初に見出した草花だった。春の花の一つとして、また秋・冬のライトグリーンの彩として、さまざまなところに株分けして移植した。咲く時期が果樹、カマスやシャクナゲとも重なるため、バンブルビーはさほど来ていないようだが、もっと小型の昆虫がついているのを見かける。

最近になって、ドロニクムが花壇の前面に咲くと、春と初夏の間、花壇の奥を隠してしまうことに気づいた。うちで成功している園芸植物は、日陰に咲く花が中心だからだろうか、背の低いものが多く、ドロニクムは背が高めの少数派なのだ。この秋の植え替え時から、だんだん背景に移してゆくつもりだ。

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黄色がドロニクム

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黄色のドロニクムと、同じ季節の花(桜、ブルネラ、シャクナゲなど)