今日は6月に入って最初の雨だ。2、3日前の天気予報では予想されていなかった雨だと思う。森や土の湿り気が保たれるので大歓迎だ。
思えば、水の保持や節約は、うちの家族の暮らしのあり方において大きな比重を占めている。
北米の人は芝生が好きで、木を切り倒して地ならしをし、大きな芝刈り機を走らせるのが一般的な姿だが、うちでは特別に理由があるとき(病気など)に例外的に木を倒すだけで、逆に多くの木を植えてきた。森の下草も維持している。これらによって、地面への直射日光を防ぎ、水が蒸発しないようにし、また降った雨が斜面をすぐに流れ落ちずに土に染み込むようにと心がけている。
池を掘って、水の流れを一旦堰き止め、地中に染み込むチャンスを増やすようにしたのも同じ趣旨だ。
果樹や野菜を育てる場所でも、出来るだけ貴重な水を使うことに依存しないよう、努めている。最初に果樹を植えたエリアでは、雨期に降った水が地中で保持されるよう、3列の大きな貯水溝を等高線の方向に掘り、それをスポンジの機能をはたしてもらう朽ちた枯木などで埋めた。実際に、貯水溝の脇に植えた9本の果樹はほとんど水をやらなくても育った。
庭に植える植物を選ぶときも、渇きに強いことが、鹿に強いことと並んで最大の条件だ。それから、場所にあった植物を使い分けることも、水やりの必要性に影響が大きい。
倒れた木や落ちた枝など、北米では一般的にためらいなく燃やして片づけられるが、水を保持する材料でもある為、山火事対策とのバランスを取りながら、出来るだけ自然に朽ちさせる処理を取り入れている。
全て小さな努力の積み重ねではあるが、水の保持だけでなく、生物多様性や二酸化炭素の排出抑制にもつながることだし、子ども達にも教えつつこういったことは真面目にやっている。
こういう背景があって、私は、引っ越して来た時からあった日なたのレイズドベッドが好きでは無い。レイズドベッドは、庭の建造物として見栄えが良いし、草取りの手間も減らすのだが、ベッドの中の土の乾くスピードが格段に速く、水遣りの必要性が著しく増す。
このベッドの木枠が随分朽ちてきて、通常であれば補修するタイミングにきたので、今回どうするかの判断が必要になった。森の比重が高いうちでは耕作スペースは貴重で、ここのベッドは、鹿に食べられない野菜畑の一つとして機能してきている。今はワケギ、チャイブ、九条ネギ、ニラ、ニンニク、ローズマリー、カモミール、ディル、フェンネルなどを栽培している。
とりあえず、一時補修をしておいて、今後どうするかしばらく考えた。
そして、今回決めたのは、ベッドを土などで埋めてしまい、乾きにくくするという方針だ。
これは、少なくとも北米では結構変わったことをやっていることになる。見栄えが悪いし、草取りが大変になるし、ベッドの周りの足場が悪くなって園芸作業がやりにくくなる。
しかし、やり始めたからには、持って来られる土を見つけては、少しづつこの路線のまま埋める作業をすすめるつもりだ。
一番下の二段は、とても段差が大きい。土の斜面が崩れやすいので、表面を石で抑えてやるようなことが必要かも知れない。
手間をかけて変わったことをやって、しかも使いにくくしているようだが、私としては水の節約を優先しているだけなので、日ごろやっていることを素直に反映できたかなと思っている。
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