メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、自家用有機農業やバンクーバー島での田舎生活など。

うちのロックガーデン(石にまつわる記憶)

うちの家を彼自身と彼の家族の住まいとして建てた大工のクラークさんは、イギリスからの移民だったが、その後仕事の都合でイギリスに帰った(それで私と妻がその後この家を買うことにもなった)。しかし現在は再びカナダに戻ってきていて、一昨年ふらっとうちを訪れた。その時庭で懐かしがったのが、向かいの山から出た石を積んで作った石垣だった。

 

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石って、運ぶのにも積んだり置いたりするのにも、自分や家族の苦労を伴うし、置いた石の上では子どもが遊ぶし、また崩れて積み直したりもするし、思い出がたくさん重なるものだ。

 

クラークさんの石垣をスタート地点にして、この場所では私も石にたくさんの時間と労力を使ってきた。

 

まず、引越してきてから3、4年経った頃、家の勝手口からドライブウェイに至る通路や下のガレージに降りる階段沿いで、芝生(と苔と雑草)を剥がしては、敷石を少しづつ置き始めた。少し敷石を買って置き、次に庭のあちこちで見つかった平らな石を並べ、ということを繰り返しているうちに、石畳っぽくなった。

 

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その後何年間かの間に、思い立っては庭や森のあちこちで石を集めて一輪車で運び込んだ。運んできた石で、石畳の周辺や石垣の上の段に、ガーデンベッドや石段を一つづつ作った。通路やガーデンテーブルの下には、砂利も敷いた。

 

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一人でやった石の作業が多かったが、長女が手伝った作業も多かった。ちょうど今日、お昼ご飯中の妻と長女の会話を聞いていたら面白かった。妻が長女に、「最近はガーデニングが好きになったんだよね」と聞いたところ、長女は、「草取りとか植えるのとかは昔から好きだったよ。石を運ぶのが大変だっただけ」と答えていた。



そういえば、どのくらいの大きさと量の石があれば「ロックガーデン」と呼べるのだろう。

 

ごつごつしたもっと大きな石がもっと一杯突き出ていないと、ロックガーデンとは言えないと感じる人もいるかも知れない。でも、私にとって、ここは二つの理由からロックガーデンだ。

 

まず、このガーデンと家が乗っかっている等高線に沿って伸びる細い平地は、山の斜面に岩が突き出て成り立っているものだ。うちの家のベースメントでは、山側の壁と床のコンクリートから、大きな岩が突き出ている。外に出ても、この平地を支える位置に岩が露出しているところが多い。

 

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うちの裏では、こういった岩の上に薄い土が載って、今のガーデンエリアになっているのだ。掘れば、岩とダグラスファーの根に突き当たる。環境的にも、ウエストコーストの岩場の植物に合ったガーデンエリアなのだ(それ以外の種類の植物が一杯植えてあるが)。

 

そして、ここが「ロックガーデン」だと思っているもう一つの理由は、私の主観ではここは石を運び込んで作ったガーデンだからだ。私の頭の中には、クレーンで巨大な石を運び込んだ以上に石の思い出があるのだと思う。

 

 

さて、ここのガーデンエリアの思い出がやや石に偏っているとは言え、環境に合った植物を探すための努力も、私なりにしてきた。だから、植物にも愛着がある。今年2年目か3年目で、それなりの成功が見えてきた植物も多い。いくつか紹介したい。

 

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エルサレムセージは、初夏の黄色い花も可愛らしいが、それよりも、その後ずっと放置されて枯れた花が、翌年まで花壇を面白くする。ドライフラワーとしてフラワーアレンジにも使える。地中海東岸の植物ということで、このガーデンに合っているのではないかとの(僅かな滞在経験と思い込みからの)肌感覚があったのだが、気温の低さが心配だった。植えてみると、おそらく現地でよりは成長が相当ゆっくりだろうと思われるし、小さくまとまっている気はするが、それなりに立派な株になってきたし、健康そうだ。根元にたくさんこぼれ種から生えてきていることにも、今年初めて気が付いた(去年までは、フォックスグローブだと思って抜いていた)。

 

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ロシアンセージは夏の終わりまで青(花)と白(茎)のコントラストを提供してくれて美しいし、期待通り乾燥にはすごく強いようだ。しかし、うちはいくらか山を登ったところでもあり、彼らにとっては寒い様だ。冬の間に枝が枯れてしまうようで、春は地面に近いところからやり直しになる。こぼれ種からもしっかり生えてくるし、それがちゃんと生き残るのだが、やはり成長がものすごくスローだ。

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この写真で見ても、2年目のものと、今年出た一年めのもので、大きさの差がすごく小さい。乾燥にとても強く、夏の終わりの貴重な青色なので、我慢して何年か待ってみるつもりだ。ある程度の株に育ってゆくと良いと思う。

 

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ヤグルマギクは、今丁度咲いている。春にはきれいなのだが、夏には消失してどこにあったか私には分からなくなってしまう。元南ヨーロッパの山岳植物らしいが、これは大変な植物。一旦生えると完全には抜けなくて必ず復活するし、大きな株になるし、種でどんどん増える。ロックガーデンでは岩の隙間に深く根を伸ばし、岩を動かさないと抜けないこともままある。そろそろ退治に本腰を入れないと、大きな勢力になってしまいそうだ。

 

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いま丁度きれいなアリウム。増やす予定だ。

 

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左は、ここでもネイティブプラントであるパーリー・エバーラスティング(ヤマハハコ)。カリフラワーのような白い花を夏に咲かせる。とても強くて、どんどん地下茎で広がろうとする。環境にも合っていて、他とは違うテクスチャーや色彩を与えてくれる植物だ。

右は、アガスターシェ。秋に至るまで力強く咲いてバンブルビーにも食料を提供してくれる、ありがたい植物だ。2年目に花が咲いて枯れてしまう場合も、さらに次の年に復活する場合もあるように見える。たまに自然生えするので、ここのところ花壇の中で数が増えも減りもしない感じだ。もっと増やしてやりたい。

 

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ローズカンピオンは、ロックガーデンの環境にも合っているし、ピンクの花がきれいでもあるのだが、鹿が咲いたばかりの花を全部食べるときもあり、少し悩ましい植物だ。

 

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やはり、一番乾いた厳しい環境のスポットでは、セダムが頼りになる(それ以外の場所にもたくさん広がっている)。写真の種類の他、地元の岩場によく生えているネイティブのものも植えてある。

 

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イベリスは、犬のテテ(9か月)の休憩場所になり、すっかりとダメージを受けてしまった。

 

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オーブリエッタとシバザクラ

 

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ハーブ類は、皆テテの寝場所になりベキベキに折れた。セージ、ラベンダー、ウィンターセボリー、タイム、チャイブ、オレガノ、スイートマジョラムその他。

 

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トカゲやヘビも住処にしてくれている。

 

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ヤロー(セイヨウノコギリソウ)も渇きに強く元気だ。

 

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鹿の食害に耐えられず、離れた場所から家の前に避難してきた植物達。これらは、鹿さえいなければロックガーデンの環境にぴったりだったと思われる。左からトーチリリー、グローブアザミ、マーケットで買ったローズカンピオンの親戚のオレンジの花、シーホリー(エリンジウム)、ナデシコ。

 

その他、高さを出すために低木もいくつか入れてある。土が薄くて掘れなかったので、盛り土を石で支えてその中に植えるか、壺の中に植えてある(鹿が届かないようにする意味もある)。写真のタマフジウツギ (orange ball butterfly bush) とローズオブシャロンはいずれもこれまで渇きに耐えて良く咲いている。壺のノリウツギは、地面から切り離されているので別だが、夏の終わりに至るまでガーデンを華やかにしてくれている。

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うちの庭は今のところ春に咲く植物が中心だが、ロックガーデンでは6月からの開花が中心だ。

 

 

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