裁縫部屋の収納棚と、モノを持たないこと
もう何か月も前に妻から頼まれていた大工仕事を、やっと済ませた。彼女の裁縫部屋の壁に私が作って設置した収納棚があるが、それに手を加える仕事だ。やり始めれば数時間のことなのに、なかなか手が付かず、申し訳なかった。
東京からバンクーバー島のこの家に引っ越してきてしばらくしてから、家のリフォームの作業を始めた。2年間から3年間、手が空いたときはそれにかかりっきりだったのでは無いだろうか。下の階にゲストルームを作ったのと、妻の生徒さん用のアートスタジオの内装が一番大きな仕事だったが、それ以外のテーブルとかキャビネットなんかも作った。(これらの仕事についても、そのうち写真だけでも撮って投稿しておきたい。)
お隣のスミスさんや、大工のロジャーなど、いろんな人から教わりながら大工仕事を覚えたが、自分なりに他の人より習得したかなと思える技術は、庭の倒木から内装材・キャビネット・カウンタートップなどの完成までの工程を、チェーンソーとテーブルソーだけでやりきるテクニックだ。
普通、倒れた木は、重機でソーミルに運んで製材した後、ジョインターとプレイナー で正確な加工をしたうえで例えばカウンタートップやキャビネット作りに至る。ソーミルを使わない場合でも、最低バンドソーくらいは使う。
私は、倒木の現場でチェーンソーを使って一次製材を行い、カウンタートップやキャビネットなどはテーブルソーだけで制作する。もちろん、材料の精度や幅、長さなどに制約が生まれるが、それを分かったうえでいろんな小さな工夫で補うことに慣れたと思う。おかげで、バンドソー、ジョインター、プレイナーといった機械を持たずに済んでいる。
こういう工夫は、モノを持たないで生活したい私にとっては楽しかった。私は、例えば、今すぐに引っ越し、あるいは山火事で避難しろと言われても、自分のものはあっという間に準備できる自信がある。
妻も、私に似ていると思う。上の裁縫部屋の写真なんかを見ると、布の在庫がたくさん置いてあるが、店じまいする服飾メーカーから安く買い取ってきた布や、アンティーク家具の修理を営んでいるボニーさんがくれた余り布などが多い。そういった布を使って、家族の洋服を作ったり直したりしてくれるので、ほとんど洋服は買わない。彼女は、モノを買ってゴミを出すことが嫌いなのだ。
日本からやってくると、多くの人はカナダの消費やプレゼントの習慣に、度肝を抜かれると思う。クリスマスの時期になると、プレゼントを受け取らないのは初めは難しかったし、変わり者になってしまうことが心配だった。でも最近は、以前よりも、分かってもらえるように説明出来るようになったと思う。
自分と家族用の記録ブログですが、興味が共通する方がいるかもと思いました。下をクリックいただけると、新しい人に読んでいただける機会が増えるそうです。出会いがあるかもと楽しみにしています。コメントやご連絡もどうぞ。