メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

ピンクシャツデー、身の回りの人種差別、それから日本の歴史に関すること

毎年、子ども達が、「ピンクシャツデーなので、ピンクを着なくちゃ」と言うことがあった。私は、バレンタインデーの行事かなと思っていた。しかし、今年初めて、何か違うことに気が付いた。バレンタインデーはしばらく前にあり、その時もピンクとか赤を着て行ったはずだ。今日のピンクシャツデーといのはバレンタインとは別の話だろうか。毎年あったことなのに、私は恥ずかしながら今まで気が付かなかったのだ。

 

今日、スクールバスの乗り場に向かう車の中で、娘たちに教えてもらった。カナダのどこかで、ピンクシャツを着た男の子がいじめられたときに、皆でピンクを着たことがきっかけで始まった、いじめをなくそうとする運動だそうだ。カナダ以外でも行われるようになったらしいと長女は言った。

 

ところで、カナダ西海岸の田舎で、住んでいるのは圧倒的に白人(特にイギリス系)が多くはあるものの、人種差別を感じさせられることは少ないといってよいと思う。子どもの学校の話を聞いていても、少なそうである。

しかし、身の回りで人種差別が無いと言うわけでは無い。中学生の長女は、先日学校のネットワーク上で仕上げたレポートを、半分消去されたうえ、「馬鹿なアジア人」といった悪口を書き込まれた。校長と担任が真剣に対応してくれたので、今後のいじめの継続を心配する必要は無さそうだったし、長女はさほど気にしていないようだった。彼女自身によると、小学校の低学年のとき、英語の発音がネイティブと違うことで執拗にからかう男の子がいて、その時の方が嫌だったそうだ。今は、随分自信があるようで、親の目にはむしろ過剰な自信の方が心配だ。

次女は、3年生だが、差別やいじめにあったと感じたことは、これまでには無い様だ。ただ、昨年、皆と同じ白人だった方が良かったなあと言ったことがあった。どうしてそう思ったのか興味深いが、何かあったのか、どうしてそう思ったのか聞いても、上手に説明出来ないようだったし、その後忘れてしまったようだ。

 

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話は少しそれるが、昨夜、良いきっかけがあったので、長女に、日本の近代史にかかわる話をした。長女くらいの年になると、友達から、「日本はアジア諸国を侵略して、悪いことをした」というような話を聞くことがあるのだ。私は、そういった話を聞くときは、全てを鵜呑みにせず、本当に事実に基づいているか批判的に聞けるようになりなさいと教えた。ただし、相手と喧嘩にならないようにしなさいとも教えた。その上で、一部アジアの国では政治的な、あるいは文化的な反日教育があったこと、そういった国々が必ずしも事実に根差さない反日プロパガンダを欧米諸国で展開し、浸透してしまった面があること、などについて教えた。長女が政治的な人になるように感化したくはないし、彼女はそういう人柄では今後も無いと思うが、一応批判的な視点くらいは持って欲しいなと思ったのだ。

 

日本にいるのと違い、誤解の混じった日本悪玉論がやり取りされ始めたときに、ここではたいてい孤立無援だ。それでも私自身は、自分の知っていることがあれば、誤解を解くため意見を言ったりする。でも、悪玉論を強く信じ込んでいて、反論すると怒ってしまうような可能性がある人がいるときは、事を荒立てないように黙る様にしている。

長女は、日本人であることにプライドを持っているようで、それは良いことだと思うので、喧嘩はして欲しくないが、人の言うことに流されず、自分で事実を確認する人になって欲しいなと思う。