メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

薪積み雑感

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今日一日で積めたのは半分くらいだ

7年半ほど前にここに引っ越してきた頃、家の暖房設備は実質上薪ストーブだけだった。それで、燃やしたこともない薪について知り合う人たちに質問したので、薪に関するたくさんのストーリーを聞いた。リタイアした方々から聞いたのは、子供の頃たくさんの夏の時間を子どもの仕事として薪づくりに費やした話であったり、また困っている人と薪をシェアした話だったりした。
もっと若い人からは、別の種類の話を聞いた。隣のケーシーは、小学校の頃夏休みのたくさんの日々を薪づくりに費やし、それが当たり前だと思っていたが、ある時、学校で、友達はだれもそんな夏休みの過ごし方をしていないことに気づいたそうだ。

カウチンバレーで、何軒くらいの家が薪を燃やしているかという統計を見たことがあったが、数字は忘れてしまった。8万人が住む広い地域にしては、結構少ないのだなという印象を持った憶えがある。薪の値段は人件費が大きいので、こんなに人件費が高く、しかもこの7年半で顕著に上がってきている場所で、薪を買うことの合理性が無くなっていると思う。ヒートポンプの光熱費の方が安いし、ガス暖房の燃料代にも近づいてきているようだ。うちでも、薪を買ってまで燃やすことは考えにくくなった。

とはいえ、枯れ木や倒木を薪にして、自分や家族が冬の寒さをしのぐための作業をすることは、子ども達にとって素晴らしい経験だと私は思っている。今どきの小中学校では、カーボンフットプリントを小さくすることの重要性を先生が教えるようだが、森の新陳代謝の中での薪の利用はカーボンニュートラルであることや、根こそぎ収集せずに鳥やその他の生物のために枯木や倒木を残すようにしている(むしろ残す方が多い)ことも、子供たちに胸を張って教えられる。

ところで、今年から、火事対策として、雨期入りしてから薪を家の隣の屋根の下に運び込むように決めた。9月に雨が降り始めたとき、それが既に雨期の初めだったとは思いもよらず、いずれ晴れ間が続くだろうと期待しながら、今に至ってしまった。ある程度薪に水が染み込んでしまったようなので、今年は煙突にススがいつもよりたくさんつくのかも知れない。

 

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キノコが生えるほど濡れた薪