メープルマウンテン日記

メープルマウンテン日記

森のガーデニング、食べ物の栽培・採集やバンクーバー島での田舎生活など。

バンブルビーと養蜂家

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つい最近まで咲いていたビーバーム(ミントの仲間)は、7月に帰ってきたバンブルビーの目標の一つ


昨日、地元で養蜂クラブの会長をしているという方に会った。クラブには、200軒ほどのカウチンの養蜂家が属しているらしい。彼自身、今年はビーハイブを70くらいまで増やし、半分ほどを他の愛好家に売ったと嬉しげだった。また、今週、隣のナナイモ市では、養蜂クラブのメンバーが、日本から侵略してきたスズメバチの巣を退治したと報道されていた。

あまり一般に意識されていないが、養蜂家の人たちが育てるミツバチは、ここでは外来生物だ。固有種のバンブルビー(マルハナバチ)愛好家の私としては、こういった人々、ニュースに接すると、複雑な気持ちだ。

もちろん花粉を媒介する昆虫はとても大事なのだが、この地にもともといたのはバンブルビーだ。バンブルビーの受粉能力は強力で、バンブルビーを前提として共生植物や生態系が成り立っていると聞く。日本でも北米でも、バンブルビーの生息地では、外来のミツバチは、もともといたバンブルビーの食糧源を脅かすとされる。日本では、スズメバチが、外来種のセイヨウミツバチを襲い、拡散を抑える働きをしていると聞いた。私の住むこの地ではどちらも外来生物であるミツバチとスズメバチだが、スズメバチだけが悪者扱いされるのはどうなんだろうか。もちろん住宅に近いところではスズメバチは駆除されるべきだし、いないのにこしたことは無いのだろうが、ミツバチだってバンブルビーの健全な生態系が維持されているところには来ない方がいいはず。

うちにいるビーはほとんどバンブルビーだが、時期によってはミツバチが中心になる。ミツバチは食料の為数キロの距離を飛来するそうなので、うちのミツバチも山の南か北の養蜂家のところから来ているのだろうか。カウチンでは、養蜂は、生活の為というより趣味として行われている様子だ。それであれば、住宅地を中心に養蜂をして、バンブルビーの生息地からは距離を置くようなことにできないものだろうか。一方で養蜂愛好者の方々の楽しみも大事に考えたい。素晴らしく楽しいことだろうし、固有の花粉媒介虫が住めなくなっているところでは、役割も重要だ。

 

ちなみに、うちでは2~3月からバンブル―ビーが大量に現れて、ヘレボア(クリスマスローズ)やフキの花などにたくさんはりつく。その後暖かくなって、一番バンブルビーがたかる花は、花スグリ、コトネアスターやスノーベリーのようだ。興味深いことに、6月になると、バンブルビーが庭から消えてしまう。森の中で、大量のサラールの花が咲くので、そちらに行くのだろうと想像している。そして、7月に庭に戻ると、バンブルビーが特にたかるのがミント系の植物やその他のハーブ類だ。最後に、最も不思議なのが、8月以降、再度バンブルビーが庭から存在感を薄め、ミツバチが中心になることだ。この時期、バンブルビーには何が起こっているのだろうか。毎年心配になる。冬を過ごして春に近づき、クリスマスローズなどにバンブルビーが戻っているのを見るとほっとする。