春日和に秋の色彩の準備
少しまだ肌寒いが、穏やかな日だ。だんだん昆虫が増えてきたようだし、それを追っているのだろう小鳥の声の種類が多い。バンブルビーを見かけることも少しずつ増え、今日も桜の花に少数来ている。
先日球根の植え替えをしたときにやり残したので、秋咲きクロッカスとトリカブトが混じりあって増えているところを掘り起こし、株分けして植え替えた。思い立った時に、それ以外の秋咲きの宿根草も少し動かした。
うちでは鹿に強く、また木漏れ日環境に適した植物が生き残る。木陰ではあってもここの夏の乾期は厳しいので、渇きに強いことも大事だ。最初は庭に晩夏以降の庭の色合いが無かったのだが、ここ何年かで宿根草が少しづつ見つかり、今はそれらがモミジの紅葉前まで庭を彩って、かつバンブルビーの食料も提供してくれる。
晩夏については、キャットミントとビーバーム(モナルダ)が見つかったことが大きかった。そしてアガスターシェはその後も咲き続けてくれる。それから、シーズン最後の秋咲きのクロッカスとトリカブトがうちによく合っているようだ。
今年は、晩夏から秋にかけて咲くゴールデンロッド(セイタカアワダチソウ)も入れてみたので、うちでうまくゆくか観察したい。ちなみに、この植物は喘息の原因になったりしないし、バンブルビーの大好物でもあるらしい。
トリカブトに最初出会ったときには、毒性のイメージが強くて何だか怖かった。でも、考えてみれば、毒の強い植物は庭に他にもたくさんある。スイセン、ジギタリス、スズラン、ヘレボアなどが思いつく。きっと他にもあるだろう。トリカブトは、少なくともここカナダ西海岸では普通にガーデンプラントとして扱われていると思う(ただし、手袋をして植え替え作業をするようにはしている)。
無残なハーブガーデン
風邪をひいてはいるが、手術後のテテ(犬、7か月)を、一日に数回リーシュをつけて散歩させる必要はある。
ちょっとだけ、お気に入りのハーブガーデンのスポットにも座らせてやった。
このハーブガーデンに座るのは、うちの犬の伝統になったようだ。キナ(もうすぐ5歳)も子犬のときはよく座っていた。テテもガーディアンドッグなので、外に出しておくと、外を監視しながらも、家族がいる家の入口近くに陣取りたいのだろう。そうすると、石畳の一段上にあるハーブガーデンの、イベリス、セージ、ラベンダー、ウィンターセーボリーといった大きめの植物の株の上に座るのが心地良いようだ。
テテがうちに来てから、ハーブガーデンは、植物の枝がベキベキに折れた可哀そうな状態だ。キナのときは、成犬になったらそこには座らないようになり、植物もその後回復したので、同じようになれば良いなと思っている。かわいらしいヘビの住処でもあったので、それも戻ってきてほしいものだ。
ハーブガーデンには、その他タイム、スイートマジョラム、オレガノ、チャイブ、レモンバーム、スペアミントも植えてある。どのハーブも使うが、うちの一番人気はセージのようだ。レモンバームも良く使うが、畑の隅や庭でどんどん増えるので、そちらの方から取ってくる。
今年は、家の南の花壇でも、別のハーブの栽培を増やすつもりだ。ニラ、フェンネル、パセリ、バジル、カモミールを試そうと話をしている。一度うまくゆかなかったシソも、もう一度試してみたい。
それにしても、外に少し出ると、鳥の鳴き声の種類が多い。まだなかなか聞き分けられない。姿を見かけたのはユキヒメドリだけだ。庭に座って鳥の姿と声を追い、もっと声と姿を結び付けられるようになるよう時間を取りたいものだ。畑や薪の作業の見通しが立ったらだろうか。
春の花壇の隆盛前夜
家の前の桜の木の下には、春に咲く、木漏れ日環境が好きな植物が多い。冬の間に落ちた木の枝などを片づけてやったところ、咲き始める準備が進んできているように見受けられる。どういう順番に咲くのだったろうか。スイセン、スノーフレーク、ブルネラ、ドロニクム、馬酔木、オーブリエッタ、カウスリップ、ワイルドジンジャー、シャクナゲ、ツツジ、ブリーディングハート、アメリカシャクナゲといった順序だったろうか。
ここにはいつも植物が多過ぎるので、掘り出して減らしてやろうと思っているのだが、まだ十分に出来ていない。他にもやることがたくさんあるので、また先送りだろうと思う。
早咲きの桜の一つは、ほぼ満開になったようだ。バンブルビーも、少数だがやっと見始めた。この桜の花に来ていた。
カマスとその他の球根の植え替え
うちでは、カマス(カマシア)を食べ物として栽培し始めた。栗とポテトの中間のような味でとても美味しいと聞いたのと、うちの木漏れ日の環境で簡単に育ち、よく増えるからだ。水をやる必要も無い。また、一年中いつでも食べる分だけ掘り出せるのも魅力だ。サツマイモやサトイモを育てるにはここは寒すぎるし、ゆり根は鹿がいて育てられない。また、ジャガイモは、地元産の良いものがいつも店に山積みなので、うちで栽培して保存しておく意欲が湧きにくい。
実際に収穫して食べ始めるのは2年以上先だろうと思う。一番初めに、3つの専用ベッドにカマスを植えた。今日は、昨年秋のやり直し3つも含めて、カマスの為に用意したベッド5つに植えこんだ。来年、おそらく最後の2つの大きなベッドにも植えることになると思う。
ベッドに植えこむ苗は、そこら中にある。モミジの下に、シャクナゲの下に、馬酔木の下に、また小手鞠の下に、誰が種を運んでくるのだか、たくさん出てくる。これらは、苗としては使えるが、他の植物の根と入り混じって生えているので、収穫用には適さない。
カマス専用のベッドで育てることにした理由は、掘り出しやすさだけではない。有毒なスイセンの球根の混入を防ぐ意味が大きい。カマスの地上部分が生えている時にだけ収穫するのであれば、間違いは起きにくいと思うのだが、地上部分がなくなっている季節にも収穫できるようにしたかったのだ。
実際に、昨秋、地上部分がなくなっているときに掘り出してカマスのベッドに植え込んだものは、ほとんどスイセンだった。3つのベッドは、その為に今回の植え直しになった。球根だけでは、私も区別が付けられなかった訳だし、実は球根を見せたナーサリーの人も間違えてカマスだと確認した。
今日植え込んだ5つのベッドには、一つのベッドあたり20~30くらいの苗しか入れられていない。時間があればもっと入れたいが、もしそれが出来なくても、いずれ彼ら自身でびっしりと数を増やしていってくれるだろう。
それから、昨日までに、カマス以外の球根の植え替え作業も進めた。
スノードロップは株分けして、密度が低いところへ植え込んだ。あとは、何年間か放置して観察するだけだろうか。
スノードロップの近くでは、二つの花壇をクロッカスに充て、セダムやタイムが地を這う中に、来年からクロッカスが出てくるようにした。
それから、病気のヘレボアを掘り起こして空いた場所の一部には、スイセンを植えた。初めてスイセン専用に充てた場所になった。私の場合、球根植物は決まった場所を専用にしておかないと、夏に地上部が無くなったときに植わっていたものを忘れ、秋に別のものを植えてしまいがちだ。
インディアンプラム oemleria cerasiformis
ここ西海岸で最も早く咲くネイティブの低木が、インディアンプラムだ。まだ葉が開かずに上を向いているときに花が下に垂れる様子がユニークだ。
同じような大きさのネイティブの低木のうち、うちに多いのは花の咲く季節順にサーモンベリー、ハックルベリーとオーシャンスプレイであり、インディアンプラムは少ない。カウチンリバーの近くなどでは、インディアンプラムが林縁を埋め尽くしている様子を見かけたりするが、うちの周囲とは何らかの環境の違いがあるのだろう。過去に、ジュディーからもらった何本かのインディアンプラムの苗をうちのドライブウェイ沿いに植えたが、すべて消失してしまった。意外と難しい植物だという印象を持っている。
冬の終わりに咲いて、特に春に鮮やかな黄緑色を提供してくれる植物として、インディアンプラムを増やしたいと考えている。昨年親木の根から生えた若芽を掘り取っていくつか鉢植えしておいたら、いずれも今小さな葉が出てきている。しばらく鉢植えで育てた後、次は鹿よけで囲ったうえで再度ドライブウェイ沿いに植えて、水をやるなどの手をかけて試してみたい。
鹿に食べられても咲く草花、そしてウズラ
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うちの庭には恒常的に鹿がやってくる。うちの犬のキナ(4歳)とテテ(6か月)は家の中で眠るし、日中も外に出しっ放しにするわけではないので、なおさらだ。
花壇では、鹿に食べられにくいと言われる草花をいろいろ試してきたが、多くは鹿に食べられ続けて、消滅したり、小さくなったきり全く成長しない。その中で鹿に本当に強いと判明したものだけがうちの花壇に生き残ってきている。
鹿に強いものの中でも、毎年一度、最初に新芽が地面まで食べられる植物群がある。一度食べられた後は再度成長し、春から夏に花を付けるに至るのだ。デイリリーは毎年100%の植物が一度地面まで食べられる。アイリスも大半が食べられる。カマスは、何割かが同じように食べられる。その後、カマス、アイリス、デイリリーの順に花を咲かせるのだ。ただし、デイリリーの場合夏にも花だけが大半鹿に食べられる。
うちでは、鹿柵で囲うのは、野菜畑の一つとラズベリーパッチ、それに幼い果樹・庭木だけだ。野生動物は、従来通りうちを通り道として使う。山火事で近隣が燃え尽きて、農場として再興する(その時はフェンスが必要になろう)ようなことにならない限り、これからも野生動物がうちを通り道や住処として使えるようにしておきたい。
そんな方針もあってだろう、鹿、クマや様々な野鳥は相変わらずうちを訪れるし、トンボのように最近多くなったように見えるものもある。しかし、思い起こすと、ここ何年かウズラの群れを見かけていない。うちの中で、開けてイネ科の雑草に覆われていた場所を、野菜畑、ラズベリー畑と池に作り替えた。これが、彼らの住処を奪ったかも知れない。生物多様性にプラスになると思ってやったことだが、背の高いイネ科の雑草地を好む動物もいたわけだ。いや、正直にいうと、自分達の食べるものを作りたいという動機も大きかった。申し訳ないことだ。
ヘレボアの病気
先日も少し書いたが、ヘレボアに異変が起こった。黒く溶けたようになったり、そこまでゆかなくても一部焦げたように黒くなったりしたものがたくさん発生した。
地元のナーサリーに相談したところ、写真を複数の専門家に転送して調べてくれた。感染による病気だそうだ。二人の専門家は、ブラック・デスと呼ばれるウィルスによるものだと判断し、一人は糸状菌によるものだと判断した。
いずれにせよ、私のやるべきことは同じようだ。
まず、感染した株を掘り起こして、遠くに捨てることが必要だそうだ。特にブラック・デスによる感染だと、感染した株が息を吹き返すことは無いらしく、またアブラムシがゆっくりと周囲の株に病気を伝染させるので、病気の株を取り除くのは重要だ。
それから、強いヘレボアが育つようにしっかり世話をすることが、病気を防ぐうえで重要だそうだ。ヘレボアは、もともと肥料を施すことが重要な植物なのだそうだ。恥ずかしながら知らなかった。メープルの落ち葉がたくさん落ちる場所なので、土の栄養はたっぷりだと思っていたが、一方でメープルの木の根が栄養をどんどん吸い取ってゆくので、木の周囲のヘレボアの施肥はとても大事なことのようだ。
それから、写真を見た専門家から、私が植物と植物の間を詰めてたくさん育て過ぎていると指摘された。強いヘレボアを育てるには、間引きをして、今より間隔を取るべきだそうだ。
早速、昨日と今日作業を進めた。
うちでは、ヘレボアをメインとする花壇は今6つになっている。今回、オリジナルの二株が生える最も古い花壇からは、3分の2ほどを取り除くことになってしまった。それから、そこからすぐ近くの花壇からも、数株を取り除いた。その他の4つの新しいヘレボア花壇では、感染した株は見当たらなかった。
多くを取り除いた最も古いヘレボア花壇には、大きな空きスペースが出来た。ヘレボアの苗は無尽蔵にあるのだが、さすがにここにヘレボアを植える気にはなれない(ウィルスなり糸状菌なりが残っているかも知れないと心配になってしまう)。妻が、ここの花壇の植え込みのアイデアがあるようなので、この週末に、植え込みを実施することになりそうだ。
これまで、ヘレボアは、完全放置で良い一番簡単な植物の一つかと思っていた。しかし、そう簡単にはゆかないことが分かってきた。とはいえ、花壇の植物に多様性を取り入れるきっかけになるし、ヘレボアの世話をするくらいの時間上の余裕は昔より出来てきているので、楽しんでやるようにしたい。